道北経済レポート 令和7年5月発行
総括判断
持ち直している。
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっている。加えて、物価上昇の継続の影響等も、景気を下押しするリスクとなっている。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要がある。
項目別
1.個人消費:物価高の影響がみられるなか、緩やかに持ち直している。
主要小売店売上高は、物価高の影響はみられるものの、総菜や冷凍食品をはじめとした飲食料品が堅調に推移していることから、全体では前年を上回っている。
乗用車販売(新車登録等台数)は、前年の認証不正問題による反動増などから、普通車、小型車、軽自動車いずれも前年を上回っている。
2.観光:回復している。
空港乗降客数(旭川空港、稚内空港)、旭山動物園入園者数、主要ホテル宿泊客数(旭川市内、層雲峡温泉)は、インバウンドが増加したことなどから、前年を上回っている。
3.住宅建設:一進一退の状況にある。
管内6市(旭川市、留萌市、稚内市、士別市、名寄市、富良野市)の新設住宅着工戸数は、持家、貸家及び分譲住宅いずれも前年を上回っている。
4.雇用情勢:持ち直しつつある。
有効求人倍率(常用)は、有効求人数(常用)が減少していることから、前年を下回っているものの、改善傾向が続いている。
新規求人数(常用)は、「学術研究、専門・技術サービス業」等で増加しているものの、「宿泊業・飲食サービス業」、「卸売業・小売業」、「製造業」等で減少しており、前年を下回っている。
新規学卒者(高校)の求人倍率は、前年を上回っている。
5.公共事業:前年を下回る。
公共事業を前払金保証請負金額でみると、第4四半期は、上川、留萌及び宗谷地域いずれも前年を下回っている。
年度累計(第1四半期から第4四半期まで)は、前年を下回っている。
6.生乳生産:生乳生産量は前年を下回る。
乳用牛飼養戸数減少等の影響により、留萌及び宗谷地域で前年を下回っていることから、全体では前年を下回っている。
7.漁業:水揚金額は前年を上回る。
水揚金額は毛ガニ、ナマコ、ホッケが減少したものの、タラバガニ、タラが増加したことから、前年を上回っている。
水揚量は前年を上回っている。
8.企業倒産:件数は前年を下回る。
企業倒産をみると、件数は前年を下回り、負債総額は前年を上回っている。
9.金融:貸出金残高は前年を下回る。
金融機関の貸出金残高は、個人向け、地公体向けは増加したものの、事業者向けは減少したことから、前年を下回っている。
金融機関の預金残高は、流動性が増加したものの、定期性が減少したことから、前年を下回っている。
貸出約定平均金利は、前年を上回って推移している。
詳細版
道北経済レポート令和7年5月発行(PDF形式:3,293.6KB)
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